うつわ創りのみそ

日々 より一層使いやすく 素敵なうつわを作るため
製作工程で三つの要素(みそ)をお話します


その1 見た目よりとっても軽くて
使いやすいうつわ創り

武山窯では粘土でうつわの形を作った後、一日影干しして少し硬くなった生地全体を薄く削って仕上げることを 大切にしています。口元はやさしく丸く作ってあるためぽってり重そうに見えますが、実際は生地が薄いので見た目よりも軽くて中身もたっぷりはいります。又、生地全体に出来る段々の削り目はうつわを手に持った際に指にひっかかって持ちやすくなるという利点にもなっているのです








削り道具の金鉋          






大量の削りかすは水に浸して粘土に再生します









その2 自家製の釉薬
先代がコツコツと厖大な原料の調合研究を重ねた結果出来上がった
※1釉薬(うわ薬)の種類は数えきれません。


さまざまな原料を0.1%の単位の配合で組み合わせて出来る繊細な発色は、半世紀にわたる研究の成果のたまものです。
現在、メインで使っている織部グリーンと藍ブルーは深くて落ちいた透明感と独特な渋みをもっています。深いグリーンとブルーは粉引き色絵との相性が抜群で繊細で優しい色使いの絵付けのアクセントとして欠かせない釉薬です。

釉薬をする機械 らいかいき 注釈※2参照

織部と藍 2つの釉薬を使った人気の器まほろばシリーズはこちら









その3 一筆一筆思い込めて描きます

水とふのりで溶いた鉄の顔料を使って、細い筆をはしらせ鉄成分の呉須で輪郭を描き 紫 みどり 黄色 ピンク青などの明るめの色を柔らかい毛の丸筆に染みさせて色付けしております。

四季の移り変わりと共に活き活きと咲き実る草花や果実をモチーフとした模様を繊細なラインと明淡な色彩で描いたうつわは手に取る人に優しい和み感を感じさせています。




専門用語の説明

※1釉薬 (うわ薬)
釉薬は「ゆうやく」または「うわぐすり(上薬)」とも言い、やきものの専門用語です。釉薬とはやきものの表面にかかっているガラスのようなものです。釉薬を掛けて1200度前後で焼くことによって様々な色を出したり、水が漏らないようにしたり、汚れが付きにくくなったりします。一般にペンキのようなドロッとした液体です。

※2らいかいき
昭和40年前後から工房の中でも一番穏やかな日が射し込むところに席を置く擂潰機(らいかいき)。くるくる回るベルトの回転に合わせて、ぽかぽかとした空間で、丁寧に同じテンポで乳鉢の中の薬を細かく擦り続けています。
約半世紀の間、西武製陶所 武山窯の総業者の初代窯頭は、器の装飾に欠かせない生地に施す釉薬や絵付けに使う呉須(顔料)
上絵用の赤絵絵具を様々な原材料を組み合わせて調合しこの擦擂潰機で擦り交ぜて創りあげてきました。その調合レシピは数えきれないほど膨大です。